恵比寿さんのご利益
私の勤めている会社はここ数年ジリ貧で年々売上げを落としている左前の会社である。今年の不況での売上げの減少はしゃれにならないレベルで、来年は無事に年を越せるのかと暗澹たる気分で今月を迎えていた。そんな会社の例に漏れず、商売の神様である恵比寿さんにもここ数年とんと足を運んでいなかった。しかし、今年の1月10日に私は運命に導かれるようにして今宮戎に行こうと午後7時頃に南海電車の駅に降り立ったところ、なんと改札を出たところまで境内から人の列が連なっていまったく身動きがとれない状態だった。こりゃあかんと一時撤退をし翌日の残り福をもらいに、近所の車で行ける脇浜えびす神社というラジオのコマーシャルに誘われて仕事が終わってから行き、縁起物のくまでと絵馬と魔よけの御札を大枚○千円自腹で払って授かり会社に飾ったのであった。そして運命のこの師走である。来期はボーナスどころか賃金カットとリストラで従業員一同辛抱しなければとてもじゃないがとてもじゃないが会社が持たないと腹を括っていると、なんと大口の新規の取引先が向こうからどんどんやってきて、ここ数年のマイナス分をいっぺんに補ってくれた。最初は狐につままれたような気がし、次に地道な努力が認められたのだと錯覚し、最後に、「ああ、これは脇浜えびす様のおぼしめしに違いない」と気がついた。来年の恵比寿祭りにはこのお礼を申し上げに行かなくてはいけないと思うこの頃である。
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